世の中にはバカしかいないわけではない【毎日更新その018】
小学生のとき、初めて「人」という漢字を習った授業中のこと。
おばさんの先生が「人を使った言葉はなにか思いつきますか?」だかなんだか質問した。
バカなクラスメイトは(ポケモンの「ヒトカゲ」のイントネーションで)「ヒトカゲ!」と答えた。
おばさんの先生は「人影ですね。いいですね。」と言った。
バカなクラスメイトが、また1つバカになってしまった瞬間だと、わたしは思った。
教師と生徒の知り得る文化の違い、年齢の違いが、バカをよりバカにしてしまったと、わたしは思った。
それに飽きたらず、他のクラスメイトまでもが勘違いしてしまったらどうするのか。わたしは不安だった。
そのとき、「ヒトカゲって、きっと違うよね…?」隣の席に座っていた聡明な女の子がわたしに訊ねた。
わたしは「先生はきっと「人影」と勘違いしたんだろうね。」と答えながら、世の中バカばかりではないかもしれないと、希望の光を見出した。